しゃっくりが出て止まらずに困っています

質問

横隔膜の辺りがつかえて、頻繁に「しゃっくり」が出ます。何も食べていなくても出ますし、ちょっと水分をとっただけでも出ます。せきをしても出ます。食事中につかえてしゃっくりが出だすと、なかなか止まりません。水分も胸の辺りでよくつかえます。どうして、しゃっくりがよく出るのでしょうか。また、しやつくりの上手な止め方を教えてください。

答え

「しゃっくり(吃逆)」は、日常誰もが経験する症状で、そのほとんどは治療の必要がありません。しかし、頑固な吃逆の場合は、治療が必要となり、また原因を調べることも重要となります。吃逆は、横隔膜、肋間筋などの呼吸筋が同時に痙攣することで起こりますが、その直前に声帯筋が収縮し、声帯が閉鎖するために特有の音が生じます。

したがって、これらに関連する神経の経路のどこかに刺激が与えられることで吃逆が起こるのです。関連している神経としては、横隔神経、助間神経、前斜角筋へ通じる頚神経叢、声を調節している反回神経、あるいは、内臓感覚にかかわる神経(迷走神経、横隔神経、交感神経)などがあります。

また、呼吸中枢(延髄の網様体にある)への刺激によっても吃逆が起こります。そのため、吃逆の原因も、実に種々のものが考えられます。頑固な吃逆で私たちの病院を受診した32名の患者さんでは、8名に横隔膜や反回神経に刺激をもたらす疾患(胃がんおよびその転移、食道がん、肝がんとそれに伴う腹水、呑気症など)、7名に吃逆中枢がある延髄の病変(脳卒中、多発性硬化症、神経症、ベーチェット病、脳腫瘍などによる) が認められました。その他の患者さんでは特にこれといった原因は確認されませんでした。原因となる病気が確認された患者さんのうち、食道がんのケースをはじめ12名で、吃逆が最初に現れた症状でした。

何らかの病気が頑固な吃逆を引き起こしていることもあるので、原因を調べることが重要です。ご質問者の場合、何かを食べたときに吃逆が起こりやすいとのことですから、食道の脇の、声を調節している反回神経が過敏な状態にあることが原因として考えられます。一度、検査で何らかの痛気が潜んでいないか調べてもらうことをお勧めします。そのうえで、治療計画を立ててもらうことが重要です。一般に、吃逆に最も効果のある治療薬は、抗痙撃薬のクロナゼパム製剤です。1日3~12錠を服用します。また、漢方薬局で「柿蔕」として市販されている柿のへたを煎じたものを柿蔕湯(シテイトウ)も優れた効果があります。に保存しても結構です。最近は、この成分が一般薬として市販されており、使用が便利になりましたが、健康保険の適用薬には認定されていません。

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