質問
若い頃から白髪が目立ち、悩んでいました。50歳代になり、同年輩の人たちにも白髪が少し見られるようにはなりましたが、私の場合は、もうほとんどが白髪です。「若白髪はよいことがある」などと慰めの声をかけてくれる人もいましたが、本人にとってはやはり悩みの種でした。なぜ、若くても白髪が出るのでしょうか。また、俗に「わかめを食べるとよい」などといわれていますが、白髪を予防することはできるのでしょうか。
答え
毛髪は、毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれる周期的な毛の再生によって抜けては生え変わります。通常は生え変わるたびに色素を持った毛が生えてきますが、白髪は毛髪にメラニン色素の沈着が起こらなくなる現象で、正式には「白毛症」と呼ばれています。
通常は、50歳前後の約半分ぐらいの人で半数程度の毛が白髪になっているといわれています。加齢に伴うありふれた老化現象ですが、10代や20代から日立って増えてくるケースもあり、「若白髪」と呼ばれています。家系的に若白髪を発症しやすい場合(家族性早期白髪) がそのほとんどですが、ほかの疾患に伴って発症するケースもあります。
例えば、皮膚に白い斑が生じてくる「尋常性白斑(白なまず」とも呼ばれる)」に伴って見られる場合や、内分泌異常や薬剤性のものもまれにありますので、白髪以外に何らかの異常が認められる場合には、皮膚科や内科を受診しておくほうがよいでしょう。
白髪や若白髪が起こる仕組みについては、色素細胞という細胞の供給源となる「色素幹細胞」の存在が明らかになって以来、ずいぶん研究が進んでいます。色素細胞は、黒髪の基となる色素を産生する細胞です。未熟で再生能力の高い色素幹細胞が加齢とともに減少し、十分な色素細胞が供給できなくなると、毛幹に色素が十分に沈着しなくなるため、白髪になります。
一過性のストレスや血行不良によって成熟した色素細胞がダメージを受けると、黒髪が途中から突然に白くなるといった現象が観察されます。しかし、色素幹細胞のプールが残っていれば、次の毛周期で毛が生え変わる際に、色素細胞が供給されるため、黒い毛が生えてきます。過度のストレスが続いたり、加齢や抜毛などにより毛周期が何度も回ったりすると、色素幹細胞のプールが次第に枯渇して白髪を発症するようになります。最後に白髪の予防ですが、たばこは白髪を促進することが知られていますので、禁煙を心がけてください。
昔から、白髪には黒い食品がよいといわれていますが、確かな有効性を示す特効薬や食品といったものは知られておらず、確固たる根拠はありません。しかし、一般的に健康長寿につながるとされている生活習慣が、白髪防止によいと考えられます。栄養バランスのとれた食事、規則正しい適度の睡眠、適度な運動などによるストレス発散など、健やかに過ごす努力を日常から心がけることが黒髪を保つ秘けつであると考えられます。
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