便秘と下痢どちらが体に悪いのだろう?

便秘と下痢は、いずれにしても苦しいものです。便秘はたえず腹部の膨満感や不快感を与え、倦怠感、食欲不振、肌荒れなどの全身症状も強くなります。急性の下痢は激しい腹痛と便意に襲われて、たびたびトイレに駆け込むことも珍しくありません。したがって、治療の緊急性と亭えば、急性の下痢でしょう。

悪い細菌に感染すると症状が長引き、著しく体力が消耗し、脱水症状を引き起こす可能性もあります。もし、経験したことのない下痢、腹痛に襲われた時は、病院で検査と治療を受けるようにしてください。とくに、海外から帰国した際には、要注意です。このようなひどい下痢はともかくとして、通常、便が緩かったり、ときどき下痢する程度であれば、健康上あまり支障はありません。

むしろ、便秘で腸内に長い間便を溜め込むほうに問題がありそうです。便のなかには食物の消化カスとともに、大量の腸内細菌、酵素、毒素、発がん性物質が含まれています。

悪玉菌の大腸菌やウェルシュ菌は、動物性たんばく質や脂肪を分解して老化促進物質を生成するほか、胆汁酸を分解して強力な発がん成分(二次胆汁酸) や発がん物質( ニトロソアミン) を作ります。

 

便秘をすると、これらの悪性物質と腸壁が長い間、接触することになります。腸は人間の免疫系にかかわる腸内細菌叢があり、「免疫の要」とも言われます。ここに凶悪な物質がいては、まさに「お腹に爆弾を抱えている」ようなもの。体に悪影響が出るのもあたりまえです。

 

排便は、たんに体の老廃物を排泄するということだけではなく、栄養を体に取り入れるためにも不可欠です。もし便秘ぎみなら、現在の食習慣、連動習慣などを見直して、1日も早く改善してほしいものです。また、便秘や下痢の原因には、重大な病気もあることを忘れてはいけません。とくに、それまでの排便習慣と違って、便秘や下痢ぎみになつた場合、大腸がんも疑われます。心配な方は、病院での検査をおすすめします。

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