男性 更年期障害 というのもあることをご存じでしょうか。男性の更年期も気づいてあげて というとえっ!と思った方も多いはずです。ほとんどの人が男性に 更年期 があるとは知らないでしょう。
男性 更年期障害
男性更年期 については、近年、「 加齢男性性腺機能低下 LOH 症候群 」として、少しずつ知られるようになってきました。男性も女性と同じように、加齢にともない男性ホルモン ( テストステロン ) の低下が起こり、女性の 更年期 によく似た症状が表れます。
女性の 更年期障害 の場合は、l般に広く知られているため家族やパートナーからも理解してもらいやすいのですが、男性の場合、「年のせいだから」「家事をしたくないので、なまけている」などと思われがちです。
でも、周囲から放っておかれるうちに症状が悪化し、場合によっては うつ病 へ進行、中には自殺などに至る不幸なケースもあるので、本当は、くれぐれも注意が必要なのです
でも、周囲から放っておかれるうちに症状が悪化し、場合によっては うつ病 へ進行、中には自殺などに至る不幸なケースもあるので、本当は、くれぐれも注意が必要なのです。
うつ病の症例14「死にたい!と」口にするのははヌーススピリッツ
男性も、40歳くらいから、男性ホルモンの低下にともない、精神・神経症状(意欲の喪失、イライラ感、うつ症状など)、身体症状(筋力低下、疲労感、睡眠障害、急な発汗など)、性機能の低下(性欲低下、勃起力の減退) などさまざまな症状が出てきます。
排尿症状(頻尿、尿が出にくい)、骨密度低下(骨粗しょう症)、内臓脂肪の増加( メタボリック・シンドローム) も加わってきます。
男性ホルモンの低下からメタボリック・シンドロームになると、内臓まわりの脂肪が増加することにより、インスリン抵抗性(からだがインスリンに反応しにくい糖尿病の前段階)、高血圧、脂質異常症(中性脂肪の上昇やコレステロールのバランス異常) を生じ、動脈硬化が進みやすい状態で、放置しておくと、将来心血管障害(狭心症や心筋梗塞) や脳血管障害( いわゆる脳卒中) の発症率が高くなることが報告されています。
つまり、内臓脂肪の増加→生活習慣病→臓器障害、認知症、寝たきりと進展していく可能性があるので、早期に対応することが非常に重要なのです。ですから、あなたの大切なパートナーが最近どうも元気がないなと感じたら、男性更年期に対応している専門のクリニックや病院の受診を、ぜひ勧めてあげてください。
男性更年期もひとつの社会問題になりつつありますが、女性は若年化がすすでいます。
男性の更年期障害 まとめ
男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症、LOH症候群)は、40代後半から60代にかけて、男性ホルモン(主にテストステロン)の分泌量が低下することで起こる症状のことです。女性の更年期に比べてあまり知られていませんが、実は多くの男性が悩んでいる問題です。
主な症状
精神的・身体的に幅広い影響が出ます:
精神的な症状
-
うつっぽさ(気分の落ち込み)
-
イライラや不安感
-
集中力・記憶力の低下
-
やる気が出ない(意欲の低下)
身体的な症状
-
疲れやすい・倦怠感
-
筋力低下・体力低下
-
発汗・ほてり
-
性機能の低下(EDや性欲減退)
-
不眠・睡眠障害
原因
-
主にテストステロンの減少が原因。
-
ストレス、過労、生活習慣の乱れ、睡眠不足なども影響。
-
慢性的な病気(糖尿病・高血圧・肥満など)とも関連。
診断
泌尿器科や男性更年期外来で、以下のような方法で診断されます。
-
問診・症状チェック(AMSスコアなど)
-
血液検査でテストステロン値の測定
治療法
-
生活習慣の見直し
-
睡眠・食事・運動の改善
-
ストレスの軽減
-
-
ホルモン補充療法(テストステロン補充)
-
医師の指導のもと、注射・塗布薬・貼付薬などで補充
-
-
心理療法・カウンセリング
-
精神的な不調に対応
-
-
漢方薬やサプリメントの活用
-
「補中益気湯」「八味地黄丸」などの漢方薬
-
亜鉛・マカ・トンカットアリなどのサプリも補助的に
-
予防・セルフケア
-
ウォーキングや軽い筋トレでテストステロン維持
-
バランスの良い食事(高タンパク・亜鉛・ビタミン豊富な食事)
-
質の良い睡眠
-
適度な趣味や人付き合い